3月末で仕事を辞めました。
それまで10年以上ゆるい非正規OLとし働いていました。
のどかな山里で生まれ育ったタヌキが都心で働くには人間に変身する必要があったので、ゆるく働くとはいっても常に油断はできませんでした。
たまに年下の社員から「葉っぱ見えてますよ」とか言われていたのでちょこちょこ変身が解けていた可能性はあります。
コロナ禍以後導入されたテレワークと時差出勤は性に合っていましたが、その頃から業務量が増え、特に最後の1年ほどはタヌキの体力ではとても追いつかなかったので残業と飲酒量とついでに白髪も増えました。
(みんな同じくらいの位置から色が抜けていたのです。怖いでしょ。)
そんな環境で仕事をしながら次の当てを探せる気力や体力や根性がタヌキにあるわけもなし、無事に退職はしましたが次の仕事が見つかるまでは貯金と退職金(非正規なのにボーナスや退職金が出るほどホワイトな職場でした)を食いつぶしながらゆっくり過ごそうと思っています。つまり自由の身です。
当初の予定では2週間くらいで睡眠負債を返済し、その後は
- ブログを始める
- 片付け祭り&大掃除
- 勉強
- 運動習慣をつける
- 美術館映画館行き放題
- 行ってみたかったお店でランチをする
等々、充実した日々を送る予定でした。
5月も半ばを過ぎましたが、現時点で私が達成できたのは睡眠負債の返済だけ。つまりずっと寝ていたことになります。
3月までの記憶がどんどん薄れてきているので、この2ヶ月弱の間に起きた心境・体調の変化や気付きなどについて、忘れないうちに残しておこうと思います。
浪費、消費が減った
「支出は「投資」>「消費」>「浪費」のバランスに抑えましょう」、とよく聞きます。
こえりは「浪費」の中でも自分へのご褒美やラテマネーが多いタイプで、仕事をしていた頃はストレスが溜まると会社を抜け出して近くのスタバやタリーズでテイクアウトする日々でした。
今でもお散歩のついでに近所のカフェでコーヒーを買うことはありますが、許容できる範囲です。
また、仕事帰りに日用品の買い出しに行くと、ついつい買い物メモにないストック品を買ってしまったり、コスメやお酒に手を伸ばしてしまったりと、ドラッグストアの誘惑にまんまとハマっていました。
買い物に行く頻度が減ったので無駄遣いだけでなく消費も減りました。ストック品のついで買いが減ったことで一時的に日用品にかかる消費が落ち着いたのだと推測しています。
食生活が改善した・飲酒量が減った
仕事のストレスが増えてきたあたりから食欲と飲酒のコントロールが難しくなっていました。
退職前の数ヶ月は毎日のように帰宅後に発泡酒の6缶パックかワイン1本を飲み、生理前はそれに追加してYouTubeでドカ食い動画を見ながら一緒にドカ食いをするという最悪の習慣がついてしまいました。
それが退職後1ヶ月を過ぎたあたりから明らかに食欲が落ち着き、飲酒への欲求も減りました。これは睡眠負債を返し終わったこととストレスが解消したという2つの原因が考えられます。
実は睡眠と食欲はダイレクトに関係があります。睡眠時間が減ると食欲を抑制するレプチンというホルモンの分泌が減少し、反対に食欲を増やすグレリンというホルモンの分泌が増えるので、睡眠不足だと食事の量が増える傾向にあるのです。
また、ストレスも食欲に関わっています。ストレスホルモンのコルチゾールが増加すると幸せホルモンのセロトニンの分泌が減少するといわれています。
セロトニンの分泌が減るとドーパミンとノルアドレナリンのバランスが崩れるのですが、ドーパミンが過剰分泌されると手っ取り早く得られる快楽への誘惑に負けやすくなり、過食や飲酒といった悪習に陥りやすくなるのです。
こえりの場合は仕事を辞めてストレスが解消したことに加え、セロトニンの活性化に効果があるとされる行動(散歩など)を取り入れたことによって食欲や飲酒への欲求を抑えられるようになったのでしょう。
周りの人たちへの感謝の気持ちが増えた
子供時代から人間関係の構築が苦手だったのですが、退職して落ち着いたことで改めて周りを見渡してみたら、友人、恋人、家族、元職場の同僚達……と、ずいぶん恵まれていることに気が付きました。
「人間に変身しているタヌキ」を自称はしていますが、気づけば人間に擬態していなくても一緒にいてくれる人たちに囲まれていたのです。
今は周りへの感謝の気持ちを持つのと同時に、自分自身のことも今まで以上に大切にしたいと思えるようになりました。(退職ハイで感謝モードに入っているというのもあると思いますが。)
気持ちに余裕ができたので苦手だったラインやメールのレスポンスも少し早くなった気がします。
家事のフットワークが軽くなった
勤めている間に溜めたマイナスをゼロにしている最中ですが、家事に取り組む際の抵抗が減りました。
退職後はまとまった時間が取れるので、4月はこんまり本を参考に片付け祭りをして、夏が来る前に大掃除を終わらせようと考えていました。元々物はそんなに多くないので、断捨離自体はすんなり終わるかと思っていたのですが……やる気が……切れてしまって……。
退職後早々にはりきってやりすぎたのが敗因だと思います。
というわけで断捨離については停滞中ですが、日常の家事についてはなるべく溜めずにちょこちょここなすことができています。
勝間和代さんがYouTubeで「ちょこちょこ家事をこなせると自己肯定感が高まる」といった話をされていたのですが、整った環境にいることも、その整った環境を自分で用意できているということも、「あれやらなきゃなー」という時間が減ることも全部精神衛生上いいだろうというのは想像に難くありません。
気持ちに余裕ができてちょこちょこ動けるようになった結果、いままで見えない振りをしていた汚れなどが視界にもどってきてしまったので、やることリストが一向に片付かないという弊害は出ているのですが、それも長い目で見たら悪いことではないと思っています。
片付けと掃除は同一視されがちですが全く別のジャンルだと考えているので、並行してのんびり進めていくつもりです。
締め切りや人の目の重要性に気付いた
こえり自身はゆるゆるのタヌキなのですが、こえりの周りにいる人たちは血ヘド吐きながら努力と挑戦を続けるストイックなタイプが多いです。
そのため、「こんなに怠け者な人間は私しかいない」という自覚はあったのですが、締め切りも人の目もない環境になってから勉強などのペースが明らかに落ちました。
仕事をしていた頃は出勤するよりテレワークの方がはかどっていたので人の目がなくても問題ないと考えていたのですが、テレワークとはいえ離席したらバレる環境だったので十分人の目があったのだということに気が付きました。
また、仕事をしていた時は朝の1時間でスキンケアからメイクまで終わらせていたのに、予定のない外出のためには2時間かかってしまう(そして結果は大差ない)し、提出しないといけない書類は結局ぎりぎり、と、パーキンソンの法則「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」を、身をもって証明しています。
まとめ
ここまで書き出してみて気付いたのですが、この2ヶ月弱、精力的に活動したいと考えていた割になかなか動けなかったのはマイナスをゼロに戻すために必要な時間だったのでしょう。
私が後先考えないフーテンのタヌキであるということを加味しても「転職活動しながら」とか「転職までの間にのんびり」といった状態ではおそらくここまでの回復はできなかったと思うので、一人で自由になれる時間があったことに感謝です。