こんにちは、こえりです。
汚部屋脱出を果たしてから15年以上が経ちました。
汚部屋を脱出してから大きなリバウンドをせずに「きれい~やや雑然」くらいの間で部屋の状態をキープできている理由は、
- 物が減って散らかりにくくなったから
- 心身への負荷の少ない断捨離法を身に着けたから
- 部屋とメンタルの状態が連動すると理解したので、雑然とする前にメンタルケアをしているから
です。
ちまたに片付け法は数多くありますが、自力での汚部屋脱出を経験した人の語る汚部屋脱出法はあまり目にしたことがないので、当時のことを思い出しながら&今の自分の観点で汚部屋脱出法について紹介します。
※この記事では子供の頃から片付けが苦手で汚部屋コースまっしぐらだったタイプの人を対象にしています。もともときれい部屋住人だったけど短期間で汚部屋になってしまったという方はメンタルケアや身体の回復をおこなうのが先です。ゆっくり休んで必要であれば専門家に頼ってくださいね。
汚部屋脱出までのロードマップ
片付けには大きく分けて以下のステップがあります。
- ゴミ(思い入れのない物)を捨てる
- 残った物を分類する
- 定位置を決めて物をしまう
- さらに物を減らす・物との付き合い方を見直す
- 自分自身と向き合い自分を大切にする
汚部屋脱出にはとんでもない労力が必要と思われがちですが、実は汚部屋を脱出するだけでいいのなら「3.定位置を決めて物をしまう」までしか必要ありません。
つまり、片付け法にありがちな「悩んだら捨てろ」とか「〇年使ってなければ捨てろ」といった、今の自分(汚部屋住人)からすると山のように高いハードルを越える必要はないのです。

悩んだ物を捨てると気持ちがいいけど、慣れないうちは精神的に負担がかかるよね
こえりはそういった心に負担がかかる方法は汚部屋を脱出してからやっても構わないと考えています。
汚部屋脱出の鉄則:無理をしない
部屋に物があふれていると、睡眠の質が下がります。
睡眠の質が低下すると判断力が下がるのでさらに物が溜まりやすくなります。
こうした負のループにハマってしまっている場合、精神的にも身体的にもすり減るばかりで回復量が追い付いていないはず。
つまり、汚部屋住人であるあなたには、掃除をする体力はまだありません。
一朝一夕で散らかったわけではないのですから、半年~1年かけて徐々に普通部屋を目指せばいいのです。
当たり前ですが、「家に入ってくる物の量<家から出す物の量」の原則さえ守っていれば、どんなに時間がかかったとしてもこれ以上散らかることはありません。
心配せず1日1個でもいいから捨てていきましょう。
キッチンタイマー掃除法で15分だけ片付けてみよう
こえりは汚部屋脱出にあたり、ネット(当時は主に2ちゃんねる)や書籍を参考にしました。そのときの影響でいまでも片付け法を見るのが好きです。
25個捨て、ポモドーロテクニックなど、片付けに取り掛かるためのテクニックを色々と試してきましたが、20年近く前に2ちゃんねるの掃除板で見つけた「キッチンタイマー掃除法」に一番お世話になりました。
やり方は簡単です。
- 15分で何をどこまで、どう片付けるか目標を立てる。
- キッチンタイマー(スマホやウェアラブルデバイスでも可)で15分のタイマーをかける
- 間に合うように作業をする
- 時間になったら終わらなくても作業をやめる
- お茶でも飲んで休憩
コツは「15分でギリギリ終わるかどうか」というくらいの目標を設定すること。
休憩中はスマホを触るのは避けた方がいいのですが、うっかりSNSやスマホゲームを始めて時間が溶けるくらいなら片づけ系の記事や動画を見るとモチベーションが維持できていいかもしれません。
実践編1.一目で分かるゴミをまとめる
最初の15分は、ペットボトルや段ボールといった、ぱっと見で分かるくらいたくさんあるゴミを集めてゴミ袋に入れていきます。
あれもこれも集めるのは面倒なので、「15分で段ボールの伝票をはがして全部たたむ」「次の15分でペットボトルを集めて中身を捨て、フタ・ラベルと分別する」など、同じジャンルの物を集めていくのがおすすめ。
もしお住いのゴミ捨て場が24時間捨てられるようなら捨てに行くところまでやってみるのもありです。
無理そうならいったん邪魔にならないところにまとめておけば大丈夫ですし、もちろん15分で終わらなくても問題ありません。
15分たったら作業途中でもいったん休憩し、再開するときに続きから始めましょう。
ここでは一目で見つけられるゴミをまとめてノイズを除去することが目的なので、山の中から探し出す必要まではありません。
実践編2.エリアごとに「捨てるもの」「残すもの」の仕分けをする
次はいよいよ仕分け作業に入ります。
手に取った物を「捨てる物」、「取っておく物」に仕分けしていきます。(具体的な分け方は次で紹介します)
- ゴミ袋:燃えるごみ、資源ごみ、洗濯する必要のある衣類を入れるためのもの
- 紙袋または紐:紙ごみをまとめるためのもの
- マスク:埃を吸わないため
- ビニール手袋・ビニール袋:有機物が多い汚部屋住人はあると安心
を用意しておくと作業がしやすいです。(用意するのが面倒ならもちろんなくても大丈夫)
基本的にどこから手を付けても同じですが、ここでも15分ごとに休憩を取ることを徹底してください。
捨てる物
燃えるごみ、資源ごみ(プラごみ、布類など)はそれぞれのゴミ袋を用意してどんどん突っこんでいきましょう。
袋がいっぱいになったら、捨てに行くかまとめて別の場所に置いておきます。
捨てる前に処理を要するもの(シュレッダーをかける必要がある郵便物など)はいったんまとめておき、後で処理をすればOKです。
紙類は、仕分け中はその辺の床に重ねておき、後でまとめて紙袋に入れるか紐で縛るのが効率的。
先人のアドバイスとしては、断捨離中のゴミは日常生活で出るゴミよりもずっしり重くなることが多いので、袋がいっぱいになっていなかったとしてもゴミの日が来たら出してしまうことをお勧めします。

経験者にしか語れないやつ
洗濯物
一度着たけど「まだ着られる」と洗濯せずにソファーにかけっぱなしの服、洗濯したけどクローゼットにしまいそびれて山の中から発掘した服、仕分け作業中に発掘された靴下などは、いったんゴミ袋にまとめ、ある程度まとまったら洗濯します。
「洗濯する前にほつれ(シミ、取れかかっているボタンなど)の処理をしないと」など、気になることがでてくるかもしれませんが、手直しせずに先延ばしになる危険性や、いますぐ手直しできたとしても片付けのタイムパフォーマンスの方が高いことから、ここは目をつぶって洗濯に回すことをおすすめします。

ネットに入れて洗濯すればきっと大丈夫!
取っておく物
マイナンバーカード、通帳、現金といった貴重品が発掘された場合、現金はお財布にしまい、それ以外はお菓子の入れ物(汚部屋住人の部屋には絶対あるはず)などにいったんまとめて避難させましょう。
貴重品と衣類以外は、明らかなゴミでない物は「とりあえず取っておく」のスタンスで構いません。
クローゼットなどにしまうのは後回しにして、ひとまず「取っておく物」の山を作っていきましょう。
必要かどうかで悩んだり、思い入れがある物を捨てたりといった作業には精神的な負荷がかかります。
現時点での目的はあくまで汚部屋からの脱出。
頭を使う作業は必要最低限にとどめ、手と目だけ動かすことで汚部屋脱出までのハードルを下げましょう。
「〇年使ってない物は捨てる」系の言説は、汚部屋を脱出して「ちょっと雑然とした部屋」から「普通部屋」や「きれい部屋」を目指していく段階になってから取り入れれば十分です。
仕分けをしながらエリアを移動していく
このように手の届く範囲で捨てる物、残す物(&洗濯物)を分別し終わったら少しずつ作業場所を移し、全エリアの仕分けが終わるまで繰り返します。
ゴミ出しや洗濯が済んでいなければこのタイミングで終わらせます。
最初に書いた通り、汚部屋脱出に無理は禁物です。
15分ごとに休憩を取っているとはいえ、同じ姿勢で作業を続けているうえに埃も吸っています。
あまり一気に進めすぎると次回以降にハードルとして感じてしまう恐れもあります。
「平日お風呂に入る前に1コマだけやる」など、無理のない範囲で進めていきましょう。
余裕があれば1日の作業終わりに空いたスペースを水拭きするのも気持ちがいいです。

山の中から発掘したカラカラのウェットティッシュや埃まみれのティッシュを有効活用できて一石二鳥!
実践編3:定位置を決めて物をしまう
部屋の中のすべてのエリアの仕分けが終わり、ゴミを収集に出し、洗濯が済んだ部屋には「取っておく物の山」が残っているはずです。
つづいてこれらを棚や引き出しなどの所定の場所に移す作業に入るのですが、おそらく住所不定の物も多いはず。
最初にざっくりとジャンル分けしておくことで全体の量が把握しやすくなり住所も決めやすくなります。
この段階で捨てたいと思う物が出てきたら、もちろん捨てちゃってください。
ジャンルごとに分類する
- 本、雑誌など
- ガジェット類、電池、コードなど
- アイロン、裁縫道具、毛玉取り器など
- 文房具など
- コスメ類、美容機器など
- その他こまごましたもの
など、ざっくりとジャンル分けをしていきます。
分類した物をとりあえず詰め込む
基本的に同じジャンルの物は同じ場所へしまいましょう。
同じジャンルでも明らかに使用する場所が違う物については、それぞれ使用する場所へしまって構いません。
物の住所を決める際は、細かく住所を決めることよりも「しまう工程を極力減らすこと」が大切です。
手数が増えると、しまうのが面倒でその辺に置く→また散らかる、とリバウンドしやすくなります。
「物を定位置にしまう」という生活に慣れるまでは1~2工程でしまえるような場所に収納するのがおすすめ。
NG)クローゼットを開ける→収納BOXのフタを開ける→しまう
OK)クローゼットを開ける→フタのない収納BOXにしまう

同じ理由でカラーボックスや棚用の収納もハードル高い……
「普通部屋」の世界を堪能しよう
ここまで到達すればもはや汚部屋は脱出し、「ちょい物が多い普通部屋」住人です。
おめでとうございます。
まずはお部屋でゆっくりしましょう。
お花でも買ってきて飾ってみてください。(花瓶がないならコップやペットボトルでも構いません)

このために花瓶を買ったりして物を増やしちゃだめだよ
ここから「普通部屋」へステップアップするためには
- 思い入れのない物を捨てる
- 残った物を分類する
- 定位置を作る
- さらに物を減らす・物との付き合い方を見直す
- 自分自身と向き合い自分を大切にする
の「4.さらに物を減らす・物との付き合い方を見直す」「5.自分自身と向き合い自分を大切にする」の作業が必要になります。
ですが、まずは汚部屋を脱出できた状態での生活をしばらく維持しながら、自分の生活動線やどういったときに「一時的にここに置こう」という行動を取ってしまうのかを観察してみるのがおすすめです。
テーブルの上などにすぐ山ができてしまうようなら、しまう工程が多すぎるか、しまった場所と自分の生活動線が合っていない可能性があります。
収納場所を変えてみるなど試行錯誤することで、4以降のステップが楽になっていきます。
また、次のことを意識しておくとリバウンドしにくいので参考にしてみてください。
- タダだから、安いからという理由で物を買わない
- 整理整頓はまだ考えるな
・しまう工程が増えてリバウンドしやすくなるから
・まだ不要な物が多いので、物を減らせば整理整頓の概念すら必要なくなるから - 収納グッズは買うな
↑に同じく - おしゃれ家具には手を出すな
間接照明とか絵とか観葉植物が欲しくなるけど、それらに手を出すのはまだ早い。おしゃれ家具を目標に断捨離していこう
まとめ:汚部屋脱出は単純作業で可能
いろいろな人の片付け論を読むのが好きなのですが、元汚部屋住人の片付け論はご自身の経験から「汚部屋でどうせ使ってなかったんだから全部捨てても一緒だ!」という強めの意見になりやすい気がします。
個人的には全部捨てろ系の人の片付け論に賛同することも多いのですが、片付けに取り組むハードルは低ければ低いほどいいと考えているので、「汚部屋を抜けるのが目的ならそんなに難しくないよ」とお伝えしたくてこの記事を書きました。
「来年の年末は片付いた部屋で過ごす」くらいのゆるやかさで取り組んでいただければうれしいです。