意志の力に頼らない!心理学の知識をつけて「低負荷&まったり」習慣化しよう

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新しい習慣を身に着けたいのに全然続かない、お酒やたばこがやめられない……など、習慣について悩んでいる人に向けて、習慣化の仕組みと習慣をうまく続ける方法を紹介します。

習慣を変えるのは本能的に抵抗感がある

新しい習慣を始める、または習慣になっていることをやめようというときにまず知っておいてほしいのは「意志力や根性では習慣は変えられない」ということです。

人間には進化の過程で身につけてきたさまざまな特性があります。

人間をはじめ生物にとって一番の目的は「死なないこと」なので、命にかかわる(と判断された)ことは脳が拒否するようにできているのです。

現代を生きるわたしたちからすると「習慣が命にかかわるって大げさな……」と思ってしまいますが、脳は「今までと同じことをしていれば死ぬ心配はない、新しいことに挑戦すると死ぬ可能性がある」と自動で判断しています。

三日坊主という言葉がありますが、人間の特性を当てはめると不思議ではありません。

脳が新しい習慣を受け入れなかったので、「飽きた」「面倒」などというやらない言い訳を用意するのです。

言いかえれば、一度習慣として定着させてしまえばあとは特に考えなくても続けることができるということです。

このような特性を個人の努力でくつがえすことは難しいため、習慣を変えたいと思ったら特性についての知識を付けてうまく利用する必要があります。

習慣はスモールステップで身に着ける

新しいことを脳が拒否するのであれば、「新しいことをしている」と判断されなければいいのです。

脳に気付かれないくらいの低負荷でゆるく始め、徐々に負荷をあげていきましょう。

習慣をつける、やめるときのポイントは下記の通りです。

ポイント1:負荷を下げる

目標設定をして習慣化をしよう!と決めたばかりでテンションが上がっているときに「負荷を下げる」というのはなかなか難しいですが、習慣化するうえで一番大切なことです。

物足りない気持ちが継続への第一歩と思って最初の一か月は5分以内に終わるくらいの簡単な負荷から始め、翌月は10分、翌々月は20分……と徐々に増やしていきましょう。

習慣化に慣れてくると、自分はどこまで負荷を下げれば続けやすいか分かってきます。

ポイント2:時間や場所を選ばないでできるもの

時間や場所の制約があるものは達成のハードルがあがります。

たとえば寝る前に「今日やってなかった」と気付いたとして、「スクワット10回」ならその場で取り組めますが、「掃除機をかける」だと寝る前にかけたら近所迷惑になるかもしれません。

時間や場所の制約がなければ達成できる日が増え、モチベーションを保てます。

ポイント3:「やめる」ではなく「やる」

習慣は始めるよりもやめる方が難しいです。

やめたいと思うような悪習慣というのは基本的にやることで快楽を得ているものなので、少しずつやめるのには向いていません。

たとえばテレビをダラダラ見るのをやめたい場合、「家に帰ったらテレビの電源を入れる」という流れを止めるために「家に帰ったらシャワーを浴びる」など、悪習慣に紐づいている元の行動から見直して一気にやめることが効果的です。

ですが、「やめる」系の目標は、少しでも「やってしまった」時点でその日は失敗となってしまいます。

また、負荷を軽くして「毎日2時間観ているテレビを1時間で切り上げる」といった目標を立てても、すでに行っているものを途中で切り上げるというのは難しいため挫折しやすいです。

やめたいことがあるのなら、「〇〇(やめたいこと)をする前にスクワットをする」など、「やめる」ではなく「やる」ことにフォーカスするようにしましょう。

達成感は継続するうえで大切な要素なので、達成感を得やすい目標を立てることをおすすめします。

ポイント4:できない日があっても気にしない

驚くほどハードルを低く設定しても、時間も場所も問わずにできることであっても、できない日は必ず出てきます。

できない日があっても気にすることはありませんし、翌日のノルマを倍にして取り返す必要もありません。

いままで何もしていなかったことを始めたのですから、やれる日があるだけで十分です。

こえりが初めて習慣化を試みたのは勉強習慣で、「語学のアプリを1日5分使う」と設定しましたが、最初のうちは月に半分もできませんでした。

それでも「今まで月に0分だったのが今月は1時間勉強した!」と自分を鼓舞しつつづけるうちに毎日2~3時間は勉強時間を確保できるようになったので大丈夫です。

人類の特性を知るのにおすすめの心理学本3選

人間の特性を理解してうまく利用することで得られるメリットは習慣化だけではありません。

努力の継続を阻む誘惑の数々についても知識がつくので誘惑に負ける回数が減り、また、負けたとしても「これは人間の特性だから仕方ない」と自己嫌悪におちいらずに済みます。

人間の特性を知るには心理学の本を読むのが一番です。

こえりはアラサーで大学に入りなおした際にマーケティングの勉強の一環として心理学の単位をいくつか取りました。

また、それ以外にも自己肯定感を高めるために心理学系の本を読んできました。

そんなこえりが下記の3つの観点から習慣化におすすめの本を紹介します。

  • 新しい習慣を始める&悪い習慣をやめる
  • 人間の思考の癖を知る
  • 社会からの誘惑について知識を得る

スタンフォードの自分を変える教室

この本では意志の力ではどうにもならないことと付き合いながら、どうやって自分を変えていくのかを現実的、けれど前向きに解説しています。

心理学・自己啓発・スピリチュアル・運動科学……とさまざまなジャンルの本を読んできましたが、初期にこの本を読んだことでその後の方向性を間違えずに来られたと考えています。

(ちなみにこの本の著者であるケリー・マクゴニガル氏の運動科学の本も自己肯定感を高める仕上げとしてかなり役に立ちました。)

影響力の武器

この本には営業や販売のお仕事をしている人であれば明日から使えるような、心理学をもとにしたテクニックが紹介されています。

なぜ自己評価の話でマーケティング?と不思議に思うかもしれませんが、マーケティングの世界では、あの手この手で人間の心理が利用されているのです。

人と比べてコンプレックスを抱えたり何かを欲しがったりするのは、あなた自身から湧いてくる欲求ではなく、実は自分にお金を使わせようと手をこまねいている人たちのせいかもしれません。

ふだん自分の目に入っている世界が、実はどれだけ自分にお金を使わせようとしているのかを知ると、「足りない」感情に対して冷静に向き合うことができるようになると思います。

わたしたちはなぜ嘘つきでお人好しで自信過剰なのか

人間の祖先が生き残り進化していく過程で、どのような特性を身に着けていったのかを知ることができます。

嘘をつく、噂話が好き、自分をよく見せようとする、などの現代社会では欠点とされる要素も、当時の社会では生存し子孫を残す上で必要でした。

そのため現代でもほとんどの人が多かれ少なかれそういった特性を有しています。

また、「集団内で同質の存在として振る舞う」など、現代の人間社会でも評価されている要素についても成り立ちから理解できるので、人間関係に悩んでいる場合に取り入れやすいです。

人間のいい面も悪い面も理解することで、「自分個人の欠点ではなかった」と思えるようになるのはもちろん、他者に対しても寛容になれるでしょう。

まとめ:人類の特性を把握してうまく付き合おう

習慣化に必要なのは意志の力や根性論ではなく、知識とゆるさです。

人間の特性を知ることで必要以上に自己嫌悪におちいらずに理想に向かえるようになるでしょう。

最近では脳科学や心理学を根拠として習慣化のコツを紹介している自己啓発本もたくさん出ています。

心理学の基礎知識がざっくりとでもあれば、そうした本を読んだときに理解が深まり定着率もあげることができておすすめです。