健全な関係を築くには「要求を伝える力」を養おう

こんにちは、こえりです。昔から「断ること」や「要求を伝えること」が苦手でした。

断ることにも自分の要求を通すということにも「人に迷惑をかけて我を通す」といったマイナスの印象があったのです。

ですが、仕事をする上では断る力と要求を通す力は必須。

苦手なのでできません、と「要求を伝えること」もできなかったので必死で身につけました。

そして気が付いたのは、「断る力」「要求を伝える力」というのは人に迷惑をかけるものではなく、むしろ「健全な人間関係を築くためには必要不可欠な能力」だということでした。

「断る力」と「要求を伝える力」がなくて困るのはあなたの周りの人たち

こえりの友人や元同僚にも、「断れない」「自分の要求を伝えられない」ことによって損をするとは分かっていても、自分ひとりが我慢すればいいのなら……と受け入れてしまう心優しいタイプが何人かいます。

ですが、それって本当に自分ひとりが我慢すれば済む話なのでしょうか。

特に仕事の場ではこういった気の弱さからくる優しさはかえって周りを巻き込んで悪影響をおよぼしかねません。

プライベートでも、大事な人が一人で嫌なことを抱え込んでいると知ったら手を差し伸べずにはいられないでしょうし、黙って抱えていたと知れば心を痛めるでしょう。

「断れない」「自分の要求を伝えられない」タイプの人は往々にして自己肯定感が低いので、「自分のために」では動けませんが、「自分ひとりが受け入れれば済む問題ではない」と自覚して、「周りの人のために」断る力と要求を伝える力をつけていきましょう。

断る=人格否定ではない

断ることが苦手な人の多くは「断ったら相手を嫌な気分にさせてしまうかもしれない」「嫌われてしまうかもしれない」と考えています。

ですが、断るということは相手の要求や言動を受け入れないというだけのことであり、相手の人格を否定することではありません。

こえりも昔は「断る=人格否定」だと思っていました。

自己肯定感が低く他者からの評価に依存していたので、断られると自分自身が否定されたように感じていたからです。

断れないと相手からの要求を全部受け入れ続けることになります。

そうすると心の中で「本当は嫌だけど頼まれたら断れない。もう頼んでこないでほしいからなるべく顔を合わせたくない。こんなに頼んでくるなんてどうかしている」と、どんどん相手への苦手意識を高め、最終的には心の中で相手の人格を否定してしまっていました。

人から断られると自分が否定されたと感じる→人を断れない→断れないことでストレスが溜まり、相手の人格を脳内で否定してしまう……という不毛な負の無限ループにはまっていました。

けれど、普通の人は相手が嫌だと感じていると分かれば同じことはくり返しません。つまりわたしが一言断ることができればそれで済んだ話なのです。

そう、「断る」ということは実はたいしたことではないのです。

たいしたことになってしまうのは自分が限界まで抱え込んでしまうから。嫌な顔ひとつせず受け入れられたからと続けていただけなのに、実は相手からこんなにドロドロした感情を向けられていたなんて、今となっては相手の人たちに申し訳ない気持ちです。

要求を伝えないのは「丸投げします」という要求と同じ

「決断を先延ばしにする人は、“いまは決断しない”という決断をしているのだ」という言葉があります。

同じように、自分の要求を伝えられないということは、「私には意見がないのであなたが全部決めてください」という「要求」を丸投げしているのと同じことなのです。

「要求を伝える」というのは自分の主張を押し通すことでもわがままを通すということでもありません。

伝え方や事前の準備、相手との関係性によって勝率は変わりますが、要求をどう受け取るか、要求を通すかどうかを決めるのはあくまで相手がすることです。

自己肯定感が低いと、このような「自分からボールを投げて結果は相手次第」ということに恐怖を覚えますが、大丈夫。

先ほども説明した通り「断られる=人格否定される」ではないのです。

もし要求が通らなかったとしても、逆に断ってくれたことで相手の意思を理解できるチャンスだと思えば次につなげられます。

相手への敬意を忘れずに

「断る」「要求を伝える」ことに慣れていない人がついやってしまいがちなのが、伝える際に語気が強くなってしまってけんか腰に聞こえてしまうということ。

普段は自分の意見を言わない人が突然強い口調で要求を言い始めると周りがびっくりしてしまいますし、要求が通る確率も下がってしまいます。

こういうときこそいつも以上に相手を尊重して気遣いをすることで成功率があがります。

特に断るときは、相手の提案や善意に対して感謝をすることを忘れないように心がけましょう。

断られると人格否定をされたようにショックを受けてしまうタイプの人は、「もし自分ならこのくらいの言い方をしてもらえたらショックを受けなくて済むだろう」と思える言い方を探ってみるのが一番です。

まとめ:「要求を伝える力」は人間関係の基本

人間同士は生きているだけで自覚なく迷惑をかけあうものです。

また、人によって何を嬉しいと感じるか、何を迷惑と感じるかは違います。

かかわりも少ない人が相手であれば受け入れて気にしないようするのも一つの手です。ですが、長く深い付き合いを続けるためには、お互いに自分の要求を伝え、いやなことは断りあえるようにならなければ健全な関係は築けません。

まずは小さなところから、上手に意思を伝えられるように練習していきましょう。