【ネタバレあり】歌舞伎刀剣乱舞(とうかぶ)いまさら感想1:最初の20分だけでもいいから観てくれ

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2023年7月2日~27日まで新橋演舞場で公演していた新作歌舞伎『刀剣乱舞 月刀剣縁桐』(つきのつるぎえにしのきりのは)が、来春シネマ歌舞伎『刀剣乱舞 月刀剣縁桐』として上映されることが決定しました。

新橋演舞場まで足を運べず悔しい思いをした方にも、とうかぶロスで配信を心待ちにしていた方にも嬉しいニュースです。

刀剣乱舞の

  • 「歴史を守る」がテーマなのでどの時代が舞台でもおかしくない
  • 元持ち主が歴史的人物のキャラクターが多く、歴史上の事件に絡めやすい
  • 派手な和服キャラクターが多い
  • 本丸(プレーヤーの本陣兼住居)の数だけストーリーがあるという設定のためメディアミックスの自由度が高い

といった世界観は歌舞伎と相性抜群でした。

見どころの多い作品でしたが特筆すべきはオープニングまでの約20分間。

これから始まるストーリーへの期待を最高潮まで高める演出の美しさやワクワク感で目が離せないのに、「刀剣乱舞は好きだけど歌舞伎は初めて」「歌舞伎は好きだけど刀剣乱舞はよくわからない」という観客双方に世界観をうまく説明できているのです。

というわけで、この記事ではネタバレ(超序盤なのでネタバレというほどのこともありませんが)もしながら新作歌舞伎刀剣乱舞『月刀剣縁桐』の最初の20分間の好きなところを語っていきます。

声だけの出演の審神者の存在感が強い

開幕前に客席で歌舞伎や刀剣乱舞について解説をしてくれていた押彦さんと武彦さん。少数ですがプレゼントも用意しているなど、客席を温めてくれました。

彼らが客席の審神者のところから歌舞伎本丸の審神者のもとへ報告に走るところから舞台は始まるのですが、客席を相手にしていたときの朗らかな空気感からは一変して緊張感のある表情で審神者と対峙する二人。

時間遡行軍の出現を審神者に伝えているところを見ると、彼らは歌舞伎刀剣乱舞の本丸でこんのすけのような役割を果たしているようです。

報告を受けているのは中村獅童さんが(声だけ)演じる審神者様。歴史遡行軍への怒気を含んだ声の威圧感がすごい。時間遡行軍の1人や2人なら倒せそうです。

続編出たらいつか審神者の出番も作っていただけませんかね。

神々しい鍛刀シーンに目を奪われる

尾上松也さん演じる刀鍛冶の三条宗近が三日月宗近を鍛刀しているシーンでは雰囲気がガラッと変わり神々しい雰囲気。

刀を打つ「カーン」という音の響きや所作が美しくて、まさに「伝統芸能を観ている」といった感じです。

日本刀が神に捧げられ、また、神としてあがめられてきた歴史を改めてかみしめました。

三条宗近として鍛刀していた尾上松也さんの早着替えも見ものでした。一瞬神棚(?)の裏に回ったところで別の方と入れ替わり、セットが回転し三日月宗近としてせりあがって再登場します。

また、このせりあがり方が回転する舞台に合わせて徐々にせりあがってくるという登場のしかたですごくかっこよかったのです。こんなせりあがり方初めて見ました。専用の舞台がないとできない、歌舞伎ならではの演出だな、と見ほれました。

顕現セリフと七五調の融合が熱い

刀剣男士達の名乗りではゲーム内の顕現セリフなどを歌舞伎ならではの七五調にアレンジされており、刀剣乱舞から入った人も歌舞伎から入った人も違和感なくテンションがあがるように工夫されていました。

口上を述べている際はゲームの近侍曲をアレンジした音楽が流れていて、こういう細かい演出に原作へのリスペクトを感じます。

一人一人の口上が終わり、いざ出陣。

ゲーム起動時・出陣時のセリフを全員で畳みかけてきて、最後に三日月宗近のタイトルコールと共にタイトルの『歌舞伎刀剣乱舞 月刀剣縁桐』(だったかな)と書かれた垂れ幕が下りてきたところでこえりのテンションは最高潮です。

戦闘シーンこそないけど「すでにチケット代の元が取れた」と放心してしまいました。

まとめ:最初の20分だけでもとうかぶをを観てくれ

ミュージカル刀剣乱舞の『真剣乱舞祭2018』『真剣乱舞祭2022』を布教する手法として「最初の30分だけでいいから観て!」というものがありますが(そこまで観たら引き込まれて最後まで観てしまうという手口)、歌舞伎刀剣乱舞も「最初の20分だけでいいから観て!」といいたいです。

というか、これはまさしく新旧日本文化が最強にマリアージュした作品なので英語字幕か英語版の解説つけて海外にも布教してほしい。

観劇後と千秋楽配信の際に残したメモが多すぎて記事にまとめられていないのですが、布教と振り返りを兼ねて少しずつ続きも書いていきますね。