こんにちは、こえりです。
ここ数年で「短所を克服するよりも長所を伸ばす」という考え方が自己啓発や教育といった分野を越えて一般的になってきました。
とはいえ、まだそうした考えがしっくりきていない人もいると思います。
特に今まで努力して短所を克服してきた真面目な人ほど、そうした考えは甘えのように映っているかもしれません。
こえりは氷河期に近いミレニアル世代なので、頭では長所を伸ばすべきだと理解していても、実際に腹落ちするまでだいぶ時間がかかりました。
そこで、今日は短所を克服するよりも長所を伸ばしたほうがいい理由を解説していきます。
短所長所は表裏一体
長所と短所は全く正反対の資質だと捉えられがちですが、じつは同じ資質の異なる側面です。
「誰から見ても長所」「誰が見ても短所」という資質は存在せず、評価する人の価値観や文化、置かれた状況によって長所とみなされたり短所とみなされたりするだけです。
たとえば調和を重んじる資質は「人のよさ」や「調整のうまさ」として長所になったり、「八方美人」として短所になったりします。
日本では絶対悪とされやすい「時間にルーズ」という面ですら「時間に厳密な人よりも息苦しくなくて好き」という人がいるくらいですから、どんな資質ですら長所にはなりえるのです。
つまり、長所を伸ばすというのは「欠点を放置していいところだけを見てもらおうとする甘えた態度」ではなく、自分の資質を最大限に活かすことで短所も目立たないようにカバーすることであり、逆に短所にばかり目を向けるのは不毛だとも言えます。
どうでしょうか、少し抵抗感が薄まりませんか?
自分の資質を把握すると長所と短所が見えてくる
普通に生活をしていると自分の短所を意識する時間の方が多いうえに、短所は実害を伴うことが多いので、どうしても短所をカバーする方向に努力をしがちではあります。
けれど、長所と短所が表裏一体であり自分の資質を完全に変えることが難しい以上、無理に短所を克服しようと努力しても逆にせっかくの自分の長所を潰すことにもなりかねません。
それならいっそ、短所をポジティブに変換して長所として活かす方が、結果的に自分の強みも発揮しやすくなります。
まずは自分の資質を把握するところから始めてみましょう。
自分の資質を知るためには「クリフトンストレングス(旧ストレングスファインダー)」などのツールを利用するのもおすすめです。
上位資質を長所として伸ばしていく方向性が理解できるのと同時に、長所を活かせる環境、つまりその資質が短所として扱われない環境も分かるようになります。
こうしたテストを受けることに抵抗がある場合、自分が今短所だと思っている部分について、「自分の大事な人(親友など)(実在しない相手でもOK)が同じように悩んでいたらどういう言葉をかけるか?」と想定してポジティブに慰めてみることをおすすめします。
(家族や恋人で想定することはおすすめしません。甘えがある分容赦ないダメ出しをしてしまうので……)
「優柔不断で決断が遅い?でもそのおかげで〇〇を進めなくてすんだじゃない!〇ちゃんのそれは優柔不断じゃなくて慎重ってことだよ!危機察知能力が人よりも高いっていうことだよ!でも実生活に支障が出ているなら、自分で期限を決めてそれ以降は悩まないと割り切って実行するようにするとか、懸念点をどうやったら解決できるかっていう風に考えを変えて行動するようにしてみるのはどうかな?」
というように、自分自身に対してはめちゃめちゃに責めてしまうような短所であっても、大切な友人相手であれば「直せ」の一辺倒ではなく良い風に解釈してみたり考え方を変えて長所に変換したりということもやりやすいです。
短所の克服よりも長所として受け入れてくれる環境に移ろう
赤道直下(と言わず日本の夏でも)で氷を溶かそうと思ったら、特に手を加える必要はありませんが、極寒の中では多くのエネルギーが必要になります。
同じように短所を克服し続けるということは自分の資質を抑え込むということなので、多くのエネルギーと時間が必要になります。
反対に、自分の長所を認めて評価してくれる環境に身を置いて長所を伸ばしていければ、資質を伸ばす方にエネルギーを使えるので、効率もいい上に効果的、さらに周囲の役に立てるといいことづくめです。
自分の心が平和で幸せでいられる環境に移る、自分でそんな環境を作る、と決めることができれば環境は変えられます。
環境を変えることが難しい場合、そこで適応していくために短所を克服した方が手っ取り早いことも確かにあります。
けれど、そうした環境の中でも短所を長所に変換して活かす余地がないか考える癖をつけておくと、常にいいところに注目できるようになるので心の健康を保てますし、チャンスが来たらすぐにつかむことができるでしょう。
まとめ:自分の資質を理解して長所を伸ばそう
短所を克服するための努力というのは自分の資質を短所として認識する人たちに認められるための行為、つまり、そのままの自分では認めてもらえない環境を自分から選んでいるということです。
そしてそれはありのままの自分を評価してくれるはずだった人たちから自分を隠す行為とも言えます。
こうした不毛な行動から抜け出して自分に合う環境を見つけるためには、まず短所の克服をやめることからはじめましょう。
資質を把握して「短所」でなくなれば隠す必要もなくなります。
今まで隠そうともがいていた部分を素直に外に出せるようになると肩の力がぬけて、自分の資質を長所として見てくれる人のことが見えてきます。
そうすると自分にあった環境が見つかりやすくなりますし、無理をしている雰囲気がなくなるからか近づいてくる人の質が変わって勝手に環境が変わることも。
より幸せでストレスの少ない生活を実現するためにも、短所は長所に変換して活かしていきましょう。